2019/02/23 23:40
冬のこたつで食べる温州ミカン、春からは果汁が多いオレンジ系の品種が出回りますね。
日本の技術で沢山の品種が栽培され、果物の少ない冬から春多くの人を楽しませてくれます。そんな中一際異彩を放つスペシャルな柑橘があります。それが「ブラッドオレンジ」です。イタリアで多く栽培され、日本でも栽培は難しいとも言われていましたが栽培技術の高い柑橘農家さんがたゆまない努力と試行錯誤を重ねて10年前位から少しづつ出回るようになりました。
カットするとオレンジとは思えないような赤みが表れ、芳醇な香りが広がります。果汁も赤いところから「ブラッドオレンジ」という名前がつけられましたがあふれる甘いジューシーな果汁に二度驚きます。また柑橘特有の酸味もしっかりと味わえるので暖かくなるこれからの季節には最高の柑橘と言えます。
25gの小袋はおやつにもぴったりの食べきりサイズ
柑橘にとっては温暖な気候と豊かな土壌が必要です。見た目の美しさの為に病害虫から守るために農薬を多く使用するところやワックスをかけてピカピカに磨く生産者さんもいらつしゃいますが、久保田さんはそれを良しとせず、安心して食べられる美味しい柑橘作りを実現していらっしゃいます。お客差も見た目よりおいしさを重視される方が多いため、農薬の散布も極力抑え今では県の基準の三分の一以下にじつげんできたそうです。ブラッドオレンジの栽培は全国でも先駆者的な存在で他産地からの視察も絶えないそうです。
<久保田さんのHpより>
久保田農園は福岡県福岡市西区能古島で三代続く柑橘農家です。一代目・久保田勝は戦後、故郷の福岡県久留米市から福岡市西区能古島に家族で移住しました。当時は山だった場所を手作業で開墾し、野菜や果樹の栽培をスタートさせました。その頃は船の欠航も多く、せっかく作った野菜が何日も出荷できず悔しい思いをしたこともあったそうです。そんな中、柑橘は日持ちがすること、また能古島の気候・土壌にあっていることがわかり、柑橘栽培を専門にするようになりました。現在約2haの畑で20種類以上の柑橘を栽培しています。
「甘夏」は能古島の特産品です。樹になったまま完熟させる「樹成り」法をとっているため、通常の甘夏よりも酸味がまろやかで、甘さ、うまみも秀でています。
1月~3月は「伊予柑」、2月~3月は「文旦」
3月~5月は「ブラッドオレンジ(タロッコ・モロ種)」「不知火」
4月~6月は「甘夏」、5月~7月は「ニューサマーオレンジ」と広大な面積で柑橘類を栽培されています。
能古島の魅力
能古島は博多湾の中央に浮かぶひょうたん型の小さな島です。船に乗って約10分であっという間に行くことができるので、身近な行楽地として福岡市民から愛されています。能古島は「のこのしま」と読み、戦前までは「残島」「能護嶋」などと表記されていました。周囲12キロメートル、面積3.95平方キロメートルで、人口は約700人です。
弥生時代の出土品も見つかっており、古くから人が住んでいたようです。奈良時代には防人がおかれ、万葉集にも詠まれています。久保田農園の敷地内にも「万葉歌碑」があります。
井上陽水の「能古島の片想い」に歌われたり、作家檀一雄が晩年を過ごした地としても知られています。
春は菜の花、秋はコスモスが咲き乱れ、海を背景に花畑が訪れた人々を癒やしてくれます。
皆様も福岡市内に来られた際は足を運ばれてはいかがでしょうか?
能古の島から望む福岡市内